好きな人を,将来を,これからを,かんがえるということ


「進路,きまらんねん」
「なんか推薦もらったんじゃなかったっけ?」
「まぁなんか試験免除みたいなやつ」
「ええやん,それでいいんじゃないん?」
「でも,ピンとこないっていうかパってせぇへんっていうか」


「他のところも受けるとか言ってたやんね」
「うーん,せっかくやし,ぐらい,どうしよっかな」
「そこでは?やりたいことがあるん?」
「微々たる差だけどこっちのほうが興味あるかな,どっちもゼロ付近だけど」
「ドラムは?」
「がんばってはいるつもりだけど,それが別にどうってわけでは」


「結構真剣に悩んでるつもりなんだけど」
「停滞ってやつね」
「そんな感じ」




「素敵な人になりたいなぁ」
「尺度が変わったね,しかもなんかw」
「やりたいこと,特にないから」
「そっか,ないんじゃない,これからも」
「そうかも」


「・・・推薦けろうと思う.偉そうかな」
「いいんじゃない?」
「だって,確かに試験や面接は免除されるけど,それって」
「うん」
「結局答えを出さずにくぐれるっていう話でしょ」
「うん?」
「そのままいって,あわよくば就職して,どうなんだろう.素敵かなぁ」
「ふーむ,面白みがないってこと?」
「でも,期間も短いし,志望理由なんてあいまいだ」


「いいんじゃない,何してても素敵よ」




やりたいことは決まりませんでした.
好きな人が素敵だと思ってくれるようにと投げてみても
きれいに避けられてしまいました.


でも,歩いていく道は決まっていきました.
全ては僕の思い出になるものでした.



僕にも彼らがいる.
だから僕も彼らみたいになろう.


それを僕の「考えた」ということにしよう.