彼の幸せな将来となか卯の牛丼

毎週木曜のこの時間はなか卯で牛丼.


「最近幸せについて考えてるねん」
「どしたん,七味いる?」
「いる,このまま研究してていいんやろうかって」
「ふむ,てっきりおまえはそれが大丈夫な人なんやと思ってたわ」
「どゆこと」
「おまえ優秀やん?出された課題はがんばるやん?このままいけば国際学会で発表することもあるやん?ええところ,それこそ有名なメーカにでもいくやん?そんな人生を歩むことが」
「ぼんやりやわ.まったく考えてない」
「でもだいたいそのへんにこのままやったら収まるやん,散らばり少ない感じで.ほいでそれはなんら悪いことではない」
「せやなぁ」
「ただ,どっかに就職して25歳?27歳ぐらいになって,それなりの家のそれなりのソファーに座って鳴らない携帯を開くような自分になることがあれば,おれはそのときはなんかに殺されると思う」
「考えすぎやんw」
「でもホラーやろw交通事故より起こりうるやんw」
「出された課題はするけどなぁ,たしかに文句いいながら,
でも自分でなんかってないわ」
「それはそれでいいんじゃよ,多分」
「ふーん,でもよくよく考えるとこんなに一生懸命がんばる必要もないな」
「どやろかwおれはいくつになってもなか卯でこんなふうにする時間があったらいいと思うよ」